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山行記録

北アルプス 立山~剱岳 2011/09/18-19

メンバー: G(CL)、D
天候: (18日)晴れ、(19日)晴れのち曇り
タイム:
<9/18>
品川駅・新宿駅(前日23:00)<バス>富山駅(05:50-07:45)<バス>室堂(10:30)→一ノ越(11:07-11:15)→雄山神社・峰本社(11:57-12:15)→大汝山(12:29)→富士ノ折立(12:40)→剱沢キャンプ場(14:25)
<9/19>
剱沢キャンプ場(04:40)→剣山荘(05:05)→一服剱直下(05:23)→前剱直下(06:05)→平蔵の頭(06:24)→カニのタテバイ(06:33)→剱岳(07:05-07:30)→カニのヨコバイ(07:33)→前剱(08:10)→剱沢キャンプ場(09:35-10:05)→剱御前小舎(10:25-10:45)→地獄谷(11:30)→みくりが池(11:47)→室堂(13:00)<バス・ケーブルカー・富山電鉄・JR特急・新幹線>都内(19:00)

Gが三連休初日夜発、1泊2日の立山・剱登山を計画。Dと2人で歩くこととなった。G、D共に剱登山は初めて。特にGは映画「剱岳 点の記」を見て以降、この山への憧れを強くしてきたようだ。

18日
17日23時、各々が品川・新宿で高速バスに乗車し、18日6時頃富山駅前で落ち合った。駅前で軽く朝食を取り、行動食などを買い揃えて、富山駅前発7時45分の室堂直通バスに乗車。10時半、全く歩かず標高2,500mの室堂に到着。
室堂は三連休の中日だけあって、家族連れの老若男女で賑わっており、こちらは緊張感とは全く無縁。立山連峰の入り口であるにも関わらず、我々のように大きなザックを背負う者もごく僅かだ。10時40分、一ノ越に向けて歩き始める。一ノ越までは石畳の歩道がしっかりと整備され、緩やかに登っていく。11時7分、一ノ越到着。この辺りも沢山の観光客で大変な賑わい様。天候に恵まれ、遥か遠くに槍も望めたため、ザックを下して小休止。ふと北鎌山行メンバーは今頃どの辺りを歩いているだろうか、と思いを馳せる。そこから雄山へは比較的急な登りとなるが、依然として観光客風情の家族連れやジーパン姿の若者などが目に付く。雄山頂上の雄山神社・峰本社は一ノ越にも増して凄まじい人混み。山男を気取るGとDも他人が飲み食いしているモノの誘惑に負けて、お汁粉・カップラーメンを買って食す。峰本社を左手に巻いていくように大汝山~別山に至る縦走路が続いているが、ここから先へ向かう者はメッキリ減る。参拝の赤札をザックに付けて多くは室堂方面へと下山していくようだ。大汝山を経由し、12時40分に富士ノ折立に到達。富士ノ折立ではザックを下して突端に登り景色を一望、遥か下方に黒部湖を行く船が見えた。真砂岳を経由し、14時5分、別山と別山乗越の中間点に到達。そこからはガレて急な坂を下り14時25分、本日の幕営地である剱沢キャンプ場に到着した。
剱沢キャンプ場には既に10張程度の天幕が張られていた。思っていたより閑散としていて静かだ。明日から台風の影響で天候が崩れるというのに、それだけの天幕が張られていることが不思議というべきか。このキャンプ場には救護所やバイオトイレも併設されており居心地が良さそうだ。またフォルムの美しい雄大な剱岳が目の前に鎮座しており、何とも贅沢な感じのするキャンプ場である。天幕に入り、さば味噌・ニシン煮付の缶詰を開けてウイスキーで乾杯。その後、夕食はアルファ米2袋、レトルトカレー4袋を2人で分けて食べる。この日は4時間程度しか歩いていないが、それにしてはよく飲んで食べた。消費カロリーより摂取カロリーの方が多そうだ。Dは満腹感とアルコールですっかり幸せな気分になり、17時過ぎにはシュラフに包まった。Gはその後、独りでロマンチックに剱岳や星空を見て物思いに耽っていた、と自分で言っているが真偽のほどは定かではない。

19日
3時に起床。この日は悪天候が心配されていたが、空を見上げると雲の間に間に星が見え、どうやら好天が期待できそうだ。朝食を摂って、徐々に明るくなり始めた4時40分頃、ヘッドライトを点けて剱沢キャンプ場を出発する。既に一服剱の辺りにヘッドライトの光が見える。恐らく剣山荘に泊まったパーティだろう。剣山荘までは辺りも暗く、道も不明瞭で分かりづらかった(下山時には剱沢キャンプ場まではっきりとペンキやフラッグが視認できた)。先行パーティが道を探して迷走しているのを横目に、我々は直線的なルートで剣山荘へアプローチし、5時5分に到着する。ちょうど日の出まであと僅かという時間で、東面の山並みから後光が差してきた。G・D共に神秘的で美しい光景にしばし見入る。
ここでヘッドライトを外し、いよいよ剣山荘裏手から剱岳へのアプローチを開始。一服剱に至るまで、確か2箇所の鎖場があったと思うが、鎖がなかったら登行が困難、あるいは危険を感じるというような場所ではない。この辺りは緊張するような危険箇所は皆無であったため、いいスピードで高度を稼ぐことが出来た。一服剱手前でガイドを伴う5人パーティを抜き去った。一服剱は経由せず、直下を左手から巻いてトラバースし、前剱を目指す。一服剱を過ぎた辺りで朝日が完全に顔を出し、岩稜を一気に朱に染める。前剱に至る道は鎖場と浮石のガレ場の連続。ちょっとした風で落石が発生してもおかしくないような箇所も多く、石を蹴落とさないよう注意深く登っていく。オンシーズンはヘルメットを着用した方がいいかもしれない。前剱も直下で左手に巻いてトラバースし時間を短縮。鎖を伝って「前剱の門」と呼ばれる切り立った壁を下降すると、いよいよ別山尾根の難所かつ名物である「平蔵の頭」「カニのタテバイ」が待っている。「カニのタテバイ」には先行の若者3人パーティが取り付いており、彼らが抜けるのを待って登り始める。鎖に加えて、手掛かり・足掛かりとなるボルトが打ち込まれており、Dでも登行には苦労を感じないレベル。但し、結構な高度感があるために緊張を要するほか、出口部分がちょっぴりいやらしく、フリクションを効かせて登らざるを得ないため、ある程度山慣れしていないと難しいと感じるかもしれない。「カニのタテバイ」を抜けて最後の岩場を登りきり、先行の若者3人パーティとほぼ同時、7時5分に登頂を果たして互いの健闘を称えあう。
天候の悪化が見込まれたせいか登山者は極端に少なかった(19日に剱岳に登ったのは我々を含めて7~8パーティ程度と思われる)。おかげで難所での渋滞で時間をロスすることもなくハイペースで登頂。頂上では360度の大展望を楽しむことが出来た。別山方面を見やると遥か遠くに槍、さらに遠くにうっすらと富士山も見える。まさに絶景!
しばし眺望を楽しんだ後、7時半に下山にかかると、すぐに「カニのヨコバイ」が始まる。垂直の壁に斜め下に向かって鎖が張られた難所だ。「タテバイ」同様、半端ない高度感が楽しめる。一歩目の踏み出しに若干悩むが、落ち着いて足掛かりを探せばなんということはない。その後も10m近く垂直に架かる梯子や鎖場が続き、登りにも増して緊張を要する。強風、降雨時には遠慮したいコースだ。8時10分、登りでショートカットした前剱を経由。前剱を越えたあたりで2~3パーティとすれ違う。足場が悪く慎重な歩みを要するガレ場も一服剱まで。一服剱は下りも直下をトラバースしてしまい、結局踏むことはなかった。剱沢キャンプ場には9時35分に帰着となった。
天幕を撤収し、キャンプ場を10時5分に出発。別山乗越にある剱御前小舎には10時25分到着。その頃には風も強くなり、辺りもガスが剱岳はすっかり姿を隠してしまった。小屋では休憩室を利用して行動食を摂り大休止。我々以外には今日室堂から登ってきて、剣山荘まで行くという老夫婦がいるのみで実に静かなものだったが、雷鳥坂を下り、みくりが池辺りまで歩くと人また人の喧騒で、今回の山行が終わったことを実感した。13時には室堂へ到着、ほどなくして雨が降り始めた。
会長Tからは「おちゃらけ会員」と揶揄されるGとD。軽口を叩いて笑い合ったり、時に当会の志向する山域では滅多に出会うことのない見目麗しい山ガールに心を奪われたりと、締まりに欠ける山行だったかもしれないが、心がけだけはお天道様にご評価をいただけたようだ。とうとう最後まで天気はもってしまった。
帰りはバス・ケーブルカー・富山電鉄・JR特急・新幹線を乗り継いで、大宮でGを別れ、Dが東京に着いたのは19時であった。都内から室堂までの往復で12時間以上を要することを考えれば、剱岳はそうそう簡単に行ける山ではない。初回の登山で、頂上での素晴らしい眺望にありつけた我々は本当に運が良かった。(D)
人混みで賑わう室堂
一ノ越に至る石畳
一ノ越山荘
雄山登行中の一服、室堂を一望
雄山神社と峰本社
縦走路から扇沢方面の山並みを眺める
大汝休憩所
富士ノ折立突端でガッツポーズするG
富士ノ折立から黒部湖を行く船が見える
縦走路の先に剱岳が覗く
剣山荘から東面を望む、夜明け前の神秘的な光景
鎖場には番号が付いている
一服剱を越えたあたりで朝日が顔を出した
朝日に見とれるG
絶壁の鎖場で笑顔がこわばるG
G「前剱の門」下降中
「カニのタテバイ」現る!
D「カニのタテバイ」登行中
登頂、やったね!
頂上から、遥か彼方に槍が見える
頂上から、好天に恵まれ大展望
G「カニのヨコバイ」通過中
「カニのヨコバイ」直後、10m近い梯子が垂直にかかる
緊張を要する下山
前剱から剱本峰を望む
剱沢キャンプ場の管理所兼救護所
剱沢キャンプ場撤収準備中
剱岳全容、好天に美しいフォルムが映える
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