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山行記録

八ヶ岳 赤岳 東稜 2011/01/02-04

メンバー: P(CL)、A
天候: 晴れ(初日)、晴れのち曇り(二日目)、曇り(三日目)
タイム:
<01/02>
高尾駅(前日22:26)<電車>小淵沢駅(00:38-06:10)<電車>清里駅(06:36-06:50)→県界尾根登山口(08:00-08:30)→二俣(14:15-14:30)→ビバークポイント(16:00)
<01/03>
ビバークポイント(07:00)→第一岩峰下(13:30)→第一岩峰上(15:30)→ビバークポイント(16:30)
<01/04>
ビバークポイント(07:30)→第二岩峰下(08:30)→第二岩峰上(11:00)→第三岩峰下(11:30)→第三岩峰上(12:00)→縦走路(12:30-12:40)→文三郎道分岐(13:10)→行者小屋(13:40-13:50)→美濃戸(15:20-15:30)→美濃戸口(16:20-16:40)<バス>茅野駅(17:18-17:36)<電車>大月駅(19:47-19:52)<電車>東京

大門沢から入る赤岳東壁には積雪期の八ヶ岳において数少ない本格的なバリエーションルートがいくつかあるという。中でも二俣の間を正面から取り付く東稜は、重厚な雪山登攀が楽しめる本格的なルートとして知られている。今回は年末の寒波で雪の量も多く、雪山の醍醐味を嫌というほど味わう事ができた。

元日の夜に東京を出て、小淵沢駅で始発を待って泊まる。翌朝に清里で降りて、スキー場まで車道を約90分歩く。後から考えるとここでタクシーで時間を短縮すべきであった。スキー場からは登山道をしばらく歩き、県界尾根に登る登山道と分岐して沢筋に入る。積雪は膝程度で、トレースもあり、ワカンを着けて快適に歩く。所々に獣の足跡が横切っている。コンクリートの堰堤をいくつも越えていくと、枝沢との分岐が現れる。ここは間違いやすく、道なりにまっすぐ行くと別の沢に入ってしまうが、左手に赤いペナントが見えたのでそちらを行く。最後の堰堤を越えると次第に沢筋が狭くなり、左岸の斜面を腰までラッセルしながら進む。ここで後ろから一人の登山者が追いついてきたが、右岸の尾根を越えて向こうの沢へと行ってしまった。この前後からトレースがなくなる。意外と時間がかかりなかなか前方に二俣が見えてこないので、間違えたかと不安になったが、ほどなくして二俣に出た。ガイドブックによると右俣を少し遡ってから取付くとのことだったが、草付きの急斜面が面倒だったのでアイゼンに履き替えてここから尾根に取り付き、木の枝を頼りに登る。ここからは雪が深く胸まで潜るようになり、両手でラッセルを余儀なくされる。第一岩峰まで行く予定だったが時間が来たため標高2200m程度のところで林の中に張って一日目の幕とする。出発点のスキー場からはアナウンスの声が響いてきている。翌日は朝早く出発し、3つの岩峰を越えて昼過ぎには赤岳山頂に着き下山するという予定であった。
翌日も朝からラッセルを再開した。後の登攀のためアイゼンのままで進んだがおそらくワカンを着けるべきであった。思った以上に時間と体力を消耗してなかなか進めず、第一岩峰に着いたころには昼になっていた。第一岩峰では最初に草付きの急斜面を正面突破する。不安定のためザイルを出して、アイゼンを草に突っ込んで慎重に登る。経験が少ないため慣れない感覚に戸惑う。また長時間のラッセルで手袋も濡れ、手足の指先に痛みを覚えながらの厳しい登攀であった。急斜面をラッセルで横断してトラバースし、再び岩と草付きを登り、ようやく抜けて第二岩峰への稜線に出る。積雪で切り立ったナイフリッジの状態になっている。目の前には赤岳東壁が聳え、頂上の肩には四角い小屋の輪郭が見える。近くに見えるが標高差はまだ400mほどある。時間が迫ってきているので仕方なく、今日中の突破を断念して幕場を捜しながら進む。リッジの上にテント一個分の空間を整地してザイルで確保して張り、予備の食料と燃料を使ってとりあえず暖をとり、狭い中で眠った。
翌朝は多少ガスが出ていたが幸い天気は良くなり、日差しが出てくる中を第二岩峰に取り付く。最初は左にトラバースしてしばらく進み、数十メートルの草付きの岩を直登する。再び最初にPが慎重に登ったのちにザイルを出して確保してもらう。緊張感の高い登攀である。ここまで来てもスキー場の間延びした声が聞こえるのには参った。稜線に出ると一気に視界は開け、頂上小屋が近くに見えてくる。核心を抜けて以降は気持ちが楽になり、ラッセルも苦にならなくなる。第三岩峰は右に巻いてハイマツの枝を支えに引っ張り上げるようにして力任せに登る。そこまで来ると赤岳への一般道を行く登山者の姿も見える。ハイマツの上を歩いて竜頭峰に到着した。風が強かった。帰りの時間を考えて赤岳山頂には寄らずに文三郎道をまっすぐ行者小屋まで降りた。軽い吹雪ではあったが下りは快速で、Pはシリセードで一気に降りてしまった。行者小屋からは平坦な道を歩いて美濃戸のバス停に降りた。

思いがけず長い日程になってしまったが、内容の濃い山行で満足だった。当初は一泊二日の予定だったが、予想以上に雪が多くラッセルで消耗したためもう一泊を余儀なくされたのは反省点だった。別の報告を見ると二俣にベースキャンプを張って行ったり、またダブルアックスを採用しているなど、登攀の負担を減らすような対応をしているものもあった。今回はテント含め荷物を全部身に付けての登攀だったことでより負担が大きかった部分もあり、また私がラッセルに慣れていないこともあり時間がかかったが、経験を積めばより効率よく抜けることも可能であるように思う。(A)
大門沢より赤岳
左の白いスカイラインは天狗尾根
左俣
東稜末端と右俣
深いところで胸までの樹林帯のラッセル
樹林帯のラッセルから左俣の開けた雪面へ逃げたが・・・
この後、いやらしい草付を尾根上へ登り返さざるをえなくなる
ついに第一岩峰現る
初日にここでビバークの予定だったのだ
第一岩峰手前より振り返る
左:県界尾根、右:真教寺尾根、中央:大門沢
第一岩峰と第二岩峰の間のナイフリッジを振り返る
二日目のビバーク地より
雪庇のある雪稜の奥に控える第二岩峰を仰ぎ見る
二日目のビバーク地より
赤岳東壁
二日目のビバーク地より
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